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中国の北方地域における植林、カーボンシンク効果の体系的な評価に新成果

http://jp.youth.cn 2023-06-20 13:42:00

北京大学カーボンニュートラル研究院の朴世龍院士のチームは、中国のグリーンな長城である三北防護林に焦点を当て、数年間にわたり大スケールのペアサンプリング調査研究を実施した。チームは初めて厳密なペアリングの大スケールサンプリング調査システムにより中国の北方地域における植林のカーボンシンク増加効果を評価した上、人工林の植生のカーボンシンクと土壌カーボンシンクの非対称的変化が土壌の窒素濃度の調節を受けることを解明した。これは植林によるカーボンシンク増加の正確な計算と正確な予測 評価の実現に対して積極的な意義を持つ。同研究成果は「土壌窒素の調節を受ける植林後の植生 土壌の非対称的炭素固定」とのタイトルで、国際的な学術誌「ネイチャー コミュニケーションズ」に掲載された。光明日報が伝えた。

チームは163点の対照サンプルと614点の植林サンプルを選び、計2万5000本余りの樹木の調査を行い、1万1000点余りの土壌サンプルを収集 分析した上、機械学習モデルと結びつけ、中国の北方地域における大規模な植林によるカーボンシンク効果を体系的に試算することで、土壌窒素の植生炭素貯蔵庫及び土壌有機炭素貯蔵庫の2者の動的関係に対する調節的役割を解析した。

チームの研究によると、中国の北方地域における大規模な植林は約9億1300万トンのカーボンシンクを貢献し、うち74%が植生生物量の増加、26%が土壌有機炭素固定によるものとなっている。朴氏は、「興味深いのは、生物量と土壌有機炭素貯蔵庫が動的な非対称的変化を示したことだ。具体的に言えば、土壌窒素の増加に伴い生物量カーボンシンクは先に増えてから減少する一方で、土壌有機炭素はカーボンシンクから徐々に強まる炭素源になる。この結果は、土壌窒素が人工林の生物量の変化及び動的な土壌有機炭素に対して重要な調節的役割を持ち、2者の養分の需要によるトレードオフを示した。そしてこのトレードオフは異なる樹種の間でより際立つものだ。これと比べると、生物量の増加が激しい樹種による土壌有機炭素の変化量は、土壌の窒素濃度の度合いに沿って減少がより顕著になる。ここから、生物量に基づき土壌カーボンシンクを試算する方法には大きな不確実性があり、炭素循環モデルは植物の養分吸収の土壌有機炭素分解への影響をさらに考慮する必要があることが分かる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年6月20日