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神話物語:初めて火を起こした燧人

http://jp.youth.cn 2014-03-28 15:49:00

伏羲氏の画像

  中国の神話や伝説には、知恵と勇気と強い意志で人々に幸せをもたらす英雄が多い。燧人もその一人である。大昔、人々は火の存在を知らず、使い方も勿論知らなかった。夜になると人々は身を寄せ合い、真っ暗闇の中で野獣の吼える声におののき、寒さと恐怖の中で過ごしていた。また、火が無いため食べ物を生で食べるしかなかったことからよく病気になり寿命も短かった。

  当時、伏羲という神様が人間のこんなにも苦しい生活を目の当たりにして悲しく思い、人間に火の使い方を教えようとした。伏羲が神通力を使い森に雨を降らせたので"ガガ―ン"という音と共に雷が木に落ちて燃え上がり、瞬く間に大火となった。これに人々は驚き四方八方に逃げた。やがて雨が止み夜になると大地は濡れて冷たくなった。戻った人々は燃えている木々を見て驚きを隠せなかった。この時ある若者が、野獣たちの声が消えていることに気づいた。彼は"獣たちはこの光るものを恐れている"と考え、勇気を出して自ら近づいてみると、その光るものは暖かかった。そこで彼は興奮し「みんな早く来い!この光るものは怖くないぞ。これはみんなに光と温もりを与えてくれるぞ!」と言った。この時人々は、近くで焼け死んだ獣を見つけたが、なんとその焼けた肉からはいい匂いがしていた。そこでみんなは火を囲み、焼けた獣肉を分けて食べ、初めて火を通したものの美味しさを知った。こうして初めて火の大切さを知った人々は、火が消えないように枝や薪を集め、毎日代わる代わる見守った。しかしある日、番をしていた者が眠ってしまい枝が燃え尽き、火が消えてしまったので、人々はまた暗闇と寒さの中の生活に戻り辛い日々を送っていた。

  この様子を空から見ていた伏羲は、最初に火のありがたさに気付いた若者の夢の中に現れ「遥か遠い西に遂明という国があり、そこに火の種がある。その火種を取ってくればよい」と教えた。夢から覚めた若者は、その教え通りに、遂明国に火を探しに行くことを決意した。

  こうして若者は山を越え川を渡り、森を通って、やっとの思いで遂明国に辿り着いた。しかしそこには日差しが無く昼と夜の区別も無く、有るのはただ暗闇ばかりで火などどこにも無かった。若者は失望し"遂木"という大きな木の下に座り込み休んでいた。すると急に目の前で何かが光り、周りを明るく照らした。若者が立ち上がりその光を探すと、遂木にとまっていた何羽かの大きな鳥が、くちばしで枝を突付く度に木から光が放たれるのを見た。そこで若者が遂木の枝を折り、小さな枝と大きな枝を擦り合わせると小さな火花が出た。若者が様々な枝を互いに擦り合わせ摩擦を続けると、遂にその枝から煙が出始め、やがて炎が燃え上がった。若者は喜びのあまり涙を流した。

  それから若者は故郷へ帰り、火の種を作る方法をみんなに教えたので、その時から人々は、暗闇や寒さ、おののきの暮らしから解放された。その後若者は、勇気と知恵が認められ首領となり"燧人"と名付けられた。この"燧人"とは火を取る者という意味である。

编辑:amy 来源: 中国青年網

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